1894(明治27)年4月25日、英国の大型貨物商船「ドラメルタン号(1900t)」が、種子島沖で座礁、航行不能となる。
乗組員29名は島民に救助を求め、近くの真所海岸に上陸した。
海難事故の急報に「英国東洋艦隊」(上海)が救援出動となる。
種子島の海岸で動けぬ「ドラメルタン号」の周辺には、5月下旬に軍艦やサルベージ船等(六隻)が、順次到着した。
巨艦の引き揚げ作業は、日々潮流との闘い、様々な困難を極めたが、どうにか離礁に成功。
6月16日、ついに離岸(曳航)の日を迎えた。
それまでの間、島民は言葉の壁や食生活、文化の違いに苦労したが、連日、一緒に排水や引き揚げ作業にあたり友好的に彼らの生活面を支えた。

　　　　　　　　　インギー鶏　 別れの前日、コーウェル船長らは、お世話になった島民たちに「感謝の気持ちを表したい」と宴を催し、浜辺に張ったキャンプに多くの村人が招待された。
その際、船内で飼っていた「インギー鶏(11羽)」が贈られ、その子孫が今も大切に飼育されている実話は有名。
もう一つの贈り物が「インギー花(ピンクゼラニウム)」だ。
この生花の後代は、今も真所集落の庭先を飾っている。
「ゼラニウム」は、ヨーロッパの町並みで広く愛され、窓辺によく飾られている花。種子島に置き土産となったが、「インギー花」は島民と国境を越えた英国人たちとの友情や絆、うるわしい国際交流の物語を知っている。


　あの日から百有余年の歳月が流れているが、この間「インギー花」も栄々といのちを繋いできた。花言葉は「決意」。日英交流の証でもある種子島由来の「インギー花」に一人でも多くの方が興味を覚え、この花を可愛がって育てていただけると幸いです。

2016ウミガメ放流体験会＆ビーチクリーンご案内ファイル

２０１５年８月２日（日）種子島（中種子町・長浜海岸）

世界的にも貴重な動物で“絶滅危惧種”に指定されているウミガメ、今回、地元ウミガメ保護監視員のみなさんのご協力をいただき「子ガメ放流体験会＆ビーチクリーン（漂着ゴミ清掃）」を行いました。